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西都保健生活協同組合 
「たぬきのひとりごと」

かかりつけ医によるがんや老衰になる前、、、その2

つづき です

私は 生活している場で最期を迎えるのは自然なことと考えています。ただ それぞれに考え方や事情も異なりますので 入院という選択をする方もあります。その場合でも かかりつけがあって 相談できて 死難民にならずにすむだけでも 有り難いことなのかなと思っています。ただ もともとかかりつけがない方たちが 癌難民 死難民にならないよう 病院との連携もしています。病院との連携といっても 病院の下請けとして患者紹介してもらうということではなくて 病院の意識を変える働きかけをしています。

利用者を通じて知り合った 癌研有明病院 緩和ケア科センター長に 癌難民のお話をし 予防的緩和ケアの視点で 癌になる前から かかりつけ医を持つことの大切さを 伝えました。以来 癌研有明では 緩和ケア科初診時に 地域医療機関への逆紹介を始めています。そのことで 私たちも3年ほどのお付き合いができるようになり 連携しながらの看取りもしています。地域病院の医療連携室にも 手紙を書き送ったり 懇談を重ねておりまして 死難民 癌難民を減らすことを画策しています。こうした働きかけは 民医連全体で発信し 日本の医療を変えていけるところだと考えます。

 

かかりつけ医として 先発し 時々中継ぎに助けを借りながら 9回裏には 下位打線を相手にできるように 試合を作って 最期まで投げきることができればいいな ということです。9回裏ツーアウト満塁で 4割バッターを相手にして マウンドに登るピッチャーがいないということにならないように23回の序盤でも 9回裏を想定し 考えておく。病院の一部としての在宅医療 というよりも 外来・在宅医療の一部に病棟も位置づけたいと考えておりまして 病院に生活の視点を持ち込みたい。そのために 病院の方にも ゆっくりお昼ご飯を食べてほしい 夜もゆっくり眠ってほしい リラックスして臨床してほしいと 願っています。無用な救急搬送や入院を減らし 強打者を相手にする中継ぎとしての病院の負担を軽くしていくのも 私たちかかりつけ医の役割りでしょうか。

 

昨年90歳で亡くなった方です。お一人暮らし。徐々に 食事を摂れなくなったとき 「入院」について 援助しているヘルパーさんたちとも何度も カンファランスをしました。

病院で 名も知らぬ医療者に死ぬのを待たれるのと 十分にはならないかもしれないけれども 生きる証しを受け止められる その思いを手のぬくもりで伝えることのできる私たちとの関係を おしまいまで続けるのと どちらが倫理的なのか。結局 ヘルパーさんたちは皆 自分たちが最期までお世話したいと言い 北多摩クリニックで 死亡診断書を書くことを 支持してくれました。

私や 訪問看護婦さん ケアマネさん ヘルパーさんたちは10年お付き合いしました。亡くなる2日前には 20年お付き合いしたウチの婦長さんが 思いをこめてお別れの摘便をしました。事務長は 30年お付き合いしました。みんな良く知っている訳ですから 未だにときどき思い出して どういう風に三途の川を渡ったか あの世で 誰とどういう会話をしているか 時々話題に上ります。私たちの中では まだ生きていて 新たに入職した職員もこの方とお知り合いになり この先も 現在進行形で 物語を紡いでいく。そのことが 私たち自身のターミナルケアにもなっているのかもしれません。

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