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西都保健生活協同組合 
「たぬきのひとりごと」

北クリお薬ゼミナール その2  ステロイド

2010年6月9日の 北クリ 職員会議での 東久留米薬局の新人 菊地彩芽 薬剤師さんによる 「ステロイド」のレクチャー です。  前回の職員会議で 宿題になっていた質問の答えもあります。(湿布の貼り替えのコツ)

ステロイド(steroid)について■

 

■ステロイドって何?

ステロイドは、糖質コルチコイドというホルモンを改良して作られた薬です。糖質コルチコイドとは、元々体の中にあるホルモンで、副腎皮質から分泌されるので副腎皮質ホルモンとも呼ばれています。

次のような働きがあります。

(糖利用↓糖耐性↓)   

脂質(コレステロール↑)

電解質(血清カリウム↓ 血清ナトリウム↑)

血液成分(総白血球↑ 好酸球↓ 好中球↑ 赤血球↑) 

神経系(興奮性↑ うつ状態↑ 味覚/嗅覚↓)

循環器(心収縮力↑ 拍動数↑ 血管収縮↑)           

消化器(胃液分泌)

結合組織(骨・軟骨・皮膚のコラーゲン産生↓)      

炎症反応

 

■ステロイドはどういう薬なの?

ステロイドには、体の免疫反応を抑える、アレルギー反応を抑える作用、抗炎症作用をもっています。その作用から、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患や、アトピー性皮膚炎、喘息、痛風、関節炎など様々な病気に使われています。

・内服:全身に作用して、抗アレルギー、抗炎症作用を発揮することが目的です。

体内のホルモンバランスに合わせて朝飲む事が望ましいと言われています。

・外用:塗った場所に作用して、抗アレルギー、抗炎症作用を目的としています。

    点眼・点鼻薬、軟膏があります。ステロイドで最も種類が豊富なのは軟膏剤です。

・吸入:吸入して呼吸器に作用し、抗炎症作用で気管の腫れを抑え、呼吸を楽にします。

内服に比較し、局所に作用するため、少量で 効果があります。

・注射:静脈・筋肉・関節内への注入に使われます。

 

 

■どんな薬に含まれているの?

・内用:セレスタミン(ベタメタゾン)プレドニン(プレドニゾロン)

・外用:デルモベート(クロベタゾール)リンデロン(ベタメタゾン)

・吸入:フルタイド(フルチカゾン)、キュバール(ベクロメタゾン)

・注射:サクシゾン(ヒドロコルチゾン) メドロール(メチルプレドニゾロン) デカドロン(デキサメタゾン)

 

□番外編□ ステロイドの軟膏

ステロイドはその効果の強力さゆえ、知名度の高いお薬です。皮膚科の軟膏といったら、ステロイドをイメージする人も多いのではないでしょうか。

強いお薬で副作用もあると聞き、ステロイド軟膏の使用を不安に思う方も多いようです。しっかり塗らないことで効果が持てず、だらだらになる場合もあるようです。きちんと説明どおりに用いれば過剰に怖がる必要はない薬です。

ステロイドの副作用で肌が黒く沈着するのが怖い、という話を聞きますが、黒ずむ場合は元々ある疾患が原因である場合が多いようです。

 

  気を付けたい副作用

副作用は長期間使うことで起こりやすく、短期間の使用では比較的安全です。

血糖上昇・血圧上昇・骨粗鬆症・消化管障害・うつ・高脂血症・動脈硬化・中心性肥満・多毛・白内障・緑内障・肝機能障害・白血球増加

 

・感染症:免疫低下により感染症にかかりやすくなります。

・外用:ステロイド皮膚症:皮膚の萎縮、塗った部位が赤もしくは白くなる、掻き壊しやすくなる、皮膚の感染症の悪化等の症状が出ることがあります。

・吸入:口腔内カンジダ:口の中やのどに白い苔のようなものが生えます。薬を吸引した後にうがいと口をすすぐことで予防できます。

・ステロイド離脱症候群長期間ステロイドを服用している場合、副腎皮質からのホルモン分泌が低下するため、急に薬を止めてしまうとステロイド離脱症候群になります。自己判断で中止せず医師と相談しながら漸減しましょう。

 

■外用ステロイドの強さ比較表

ステロイドの強さと副作用の起こりやすさは必ずしも一致しませんので、目安に見てください。

最も強い

デルモベート、ジフラール、ダイヤコート

かなり強い

メタデルム、リンデロンDP、マイザー、ネリゾナ、テクスメテン、トプシム、ビスダーム、
アドコルチン、パンデル、アンテベート、フルメタ

強い

ベトネート、リンデロンV・VG、プロパデルム、ザルックス、ボアラ、
リドメックス、フルコート、フルベアン、エクラー、

普通

ケナコルト、レダコート、テストーゲン、ロコイド、キンダーベート、アルメタ

弱い

オイラゾン、デキサメサゾン、グリメサゾン、プレドニン
ビスオクリームA、コルテステラ・コートリル、ドレニゾン

 

■医師に相談しよう!

・予防接種:ステロイドが免疫の働きを弱めるため、生ワクチンでは全身感染症をひきおこすこともあり。また不活化ワクチンは効果を十分に得られない場合があります。

 

 

 

 

 

 

■前回(2010年5月)の質問&宿題

NSAIDsについては 下記 URLで ごらんください

 

http://www.saito.coop/article.php/2010051920280367

 

・NSAIDs のシップってどのくらいで貼り替えるの?

   効果時間は湿布の種類によって異なります。

1日1回の湿布であれば1日(24時間)効果がありますし、1日2回までの湿布であれば12時間ほどの間効果が続きます。

 

処方薬11モーラステープ、ロキソニンテープ(ロキソプロフェン) など

12ミルタックス(ケトプロフェン)、ハップスターID(インドメタシン)アドフィードパップ(フルルビプロフェン) など

市販薬11回 ジクロテクトテープ(ジクロフェナク) など

   →24時間の湿布なら20時間くらい、12時間の湿布なら10時間くらいで80%以上の薬は患部に移行しています。お風呂に入る前など、早めに剥がしたい理由がある時は適宜剥がして下さい。お出かけ前に剥がす場合は、剥がした後を日光に当てないようにしてください。

   →長時間貼り続けていると接触性皮膚炎を起こすことがありますので、効果時間が過ぎたら剥がすようにしてください。

   →湿布を貼る時間を空けたり、位置をずらすことで、お肌を休めてあげることが大事です。

 

・ワーファリンとアスピリンは、同時に使うこともありますよね。

   →複数の病院に通っている方で、医師に併用薬を伝えずに服用すると危険な場合があります。

    医師が併用薬を知った上で処方されたのであれば、相互作用を考慮されたものです。

→併用薬をそれぞれの医療機関に併用薬を伝え、不安な点があれば相談しましょう。

 かかりつけの薬局に相談したり、お薬手帳を使うなども良いでしょう。

 

・アセトアミノフェンだけ少し違うお薬。

   →NSAIDsの中でアセトアミノフェンは、他の薬とは違う経路で効果を表すと言われていますが、具体的には解明されていません。

    近年では、脳内(COX-3という酵素)に作用するのではないかという論文が出ています。

 

 

次回7月は 胃薬 です