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西都保健生活協同組合 
「たぬきのひとりごと」

ゆびきりげんまん

ゆびきりげんまん

毎朝保育園の入り口で、三歳になる娘と、今日もいい子でいることを指きりげんまんしています。私は今日もいいお仕事ができるように、娘と約束します。作業療法士の岩崎咲子です。今回は手。

人類は、直立二足歩行ができるようになったことで、前足だった手を自由に使えるようになりました。手は、道具を作り出す役割りも果たし、そのことで人類が生き延びる支えにもなっています。

手は、掌・甲、5本の指からなります。指も含めて掌側に曲がります。掌と掌側の指には、皮膚の他の部位とは異なり、皮脂腺がなく、深浅さまざまな溝(掌紋・指紋)があり、摩擦の力で木から落ちないよう、物を落とさないようにできています。指先端の甲側には、爪があり、感覚の鋭敏な指先を保護し、力を加えたりするのに役立ちます。

お猿さんも上手に手を使っているように見えますが、実際には、指を使うわけではなく、主に掌を使います。人間はお猿と違い、親指が他の指と相対していることで、つまんだり、摩り合わせたりの細かい作業ができます。

手は、27個の小さな骨でできています。手首にあるのは、横に4個づつ2列に並ぶ手根骨。手首と指をつなぐ中手骨は、各指に1本づつ。指には、手首に近い方から、基節骨、中節骨、末節骨が各指に1本づつ(拇指にだけ中節骨がない)。上腕骨(二の腕の骨)・前腕の骨から指まで伸びる粗大な運動をする長い筋と、指の掌側にあり微妙な運動に必要な18個の短い筋が複雑に協調し合い、関節(骨と骨のつなぎ目)を繊細に動かし、多様な指の動きをつくりだしているのです。

その代わり、手は、動かさないと固まりやすい関節の集合体であるため、一週間でも動かさずにいると、動きが鈍くなってしまいます。ディケアの利用者さんが、いつも元気はつらつなのは、指先の体操だけでなく、布絵や習字、工作、お料理で脳の刺激もしつつ、手を動かしているからかもしれません。

手は、把持するだけではなく、パソコンを打つような道具として用いられるだけではありません。手によって行われる接触は、愛撫のときのように繊細で、社会的交際、特に愛情において大切な役割を果たしています。また顔と手の繊細な協調の下での身振り手振りは、音声言語によらない感情や意志伝達の手段としてもつかわれます。

手を取り合い、手のぬくもりで、感情や意思の伝達にも使われます。ですから、娘と夫と三人で、手をつないでお散歩すると、つないだ手と手を通して、愛情が伝わり、幸せな気持ちになるんですよ。

(北多摩クリニック 作業療法士 岩崎咲子)

 

 

たぬきのひとりごと

http://www.saito.coop/index.php?topic=tanuki

 

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